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お釈迦様のご入滅について

入滅とは、涅槃ともいい、煩悩の炎が完全に消えた境地を指し、一般にはお釈迦さまや高僧の死という意味で用いられます。

お釈迦さまの最晩年の教えをまとめた「大般涅槃経」というお経には、ご入滅の様子が記されています。

「阿難よ、そこの二本並んだ沙羅の木の下に床(とこ)を用意しなさい」
お釈迦さまは弟子の阿難尊者に言いました。阿難尊者が床を用意すると、お釈迦さまはそこに頭を北に向け、右脇を下につけて横たわりました。
ブッダガヤで悟りをひらいてから四十余年の間、一時も休むことなく教えを説き、旅を続けてきたお釈迦さまでしたが、その旅も今、ここマッラ族の国、クシナガラで終わろうとしていました。
お釈迦さまは阿難尊者に水を汲みに行かせ、その水を飲むと、傍らで自分を煽いでいた優波摩那(ウパヴァーナ)に告げました。
「優波摩那よ、下がりなさい。あなたが私の前に立っていては最後に私に会いに来たものたちが私の姿を見ることができない。」
いつしか周りは、最後にお釈迦さまにひと目お会いしようと集まった近隣の村のマッラ族の人々や多くの神々、動物たちで溢れていたのです。
集まったものたちは、あるものは髪を振り乱し、あるものは地に倒れ、のたうち回り、お釈迦さまの死を嘆き悲しみました。
お釈迦さまは集まったものたちに言いました。
「私は内外の隔てなく教えを説いた。私にはもう秘密にして取り置いている教えなどない。諸々の事象は過ぎ去るものである。これから先、あなた方は自らを燈火として頼りにし、また、教えを燈火として頼りにし、怠らず修行を続けていきなさい。」
その言葉を最後に、お釈迦さまはお亡くなりになりました。
すると突然、大地が大きく揺れ、雷鳴が轟きました。 悲しみに暮れていた人々が驚き、あたりを見回すと、お釈迦さまの周りにあった八本の沙羅の木のうち四本が真っ白く枯れ、残りの四本は青々と茂り、花を咲かせていました。
それはまるでお釈迦さまの死を嘆き悲しんでいるようでした。