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お経について

お経はお釈迦様が入滅なさった後に、お弟子たちが集まってお釈迦様の説教を再現して、編集されたものです。どのお経にも通じて言えることは、聖書のような歴史的記述がまったくありません。

初期仏教の経典、スッタ・ニパータや法句経などは、お釈迦様が語った教えや、たとえ話が素朴に語られています。もちろんそこには、倫理的具体的なことが説 かれ、奥深い哲学が秘められています。それに対して、華厳経、阿含経、浄土三部経、三部秘経、般若経、法華経、涅槃経など大乗経典では、しばしば宇宙的な 世界観の元に教えが説かれ、しかも哲学的なレベルが高く、さらに文学的にも華麗で楽しいものになっています。また般若経では空の思想が詳しく説かれています。

このような大乗経典の中で日本人に最も親しまれ、現在日本人の約三千万人が帰依しているお経が法華経です。聖書が世界最大の隠れたベストセラーであるなら ば、法華経は日本の隠れたベストセラーです。聖徳太子の時代から現代に至るまでさまざまな日本人に影響を与えたロングセラーでもあるのです。ここでは詳し く法華経には触れませんが、日本で一番、いや世界で一番、法華経に帰依し実践され体現されたのが日蓮大聖人です。大聖人のご生涯は法華経の行者そのもの で、法華経の教えの真髄が末世の衆生の救済にあることを見いだしました。その意味から我々日蓮宗では、法華経こそが仏教の中心であるとし、すべてのお経は 法華経に集約されるとします。

我々がこの法華経を読誦する日々の勤行(お勤め)は、法華経(仏の真実の教え)を受持することの実践であり、これによってお釈迦様の功徳と救いの導きを私 たちが譲与されるという、帰依のあかしであります。お経を読むということは単なる儀式でも読書でもありません。お釈迦様のみおしえを頂くことですから、お 経本を粗末にあつかってはいけません。直に畳や床に置くなど以ての外です。威儀を正し、一字一字を仏様に接するつもりで読誦することが必要なのです。